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2018年02月

歯周病とは、細菌が原因となり発症する口腔内の病気です。この歯周病の怖いところは、初期の段階ではまったく自覚症状がない事です。そして、痛みなどの自覚症状が出た時には、歯周病がかなり進行している場合があります。したがって、下記のような症状が一つでもある方は、早めに診察を受けることをおすすめします。

 

歯垢と聞いてどのようなイメージをお持ちですか?歯の汚れだというのはご存知だと思いますが、それ以上のことは知らない方が多いと思いますが、この歯垢が歯周病の原因になっているのです。歯垢はプラークと呼ばれ細菌のかたまりのことなのですが、この歯垢が増えると、むし歯や歯周病が発生するわけなのです。
 
また、歯垢は虫歯などの歯の病気だけでなく、心筋梗塞や糖尿病の原因になることもあったりします。歯垢は、身体にいろいろと悪影響をもたらすこととなり、歯垢が口の中てで増えることはそれだけ危険が多くなるということにつながっていくのです。
 マイクロスコープ 歯科
みなさんは毎日、歯磨きをしていますか?毎日、歯磨きをきちんとやっているという方がほとんどだとは思いますが、いくら毎日行っていても、歯磨きのやり方が十分でないと歯と歯茎の間に歯垢が溜まっていき、細菌が増殖することで歯周病の原因となり、ほかにも様々な歯の病気を引き起こしてしまうのです。

 

歯肉炎

歯茎(歯肉)が赤く腫れて、出血しやすい状態ですが、歯槽骨はまだ破壊されていません。歯周ポケットの深さは23mm程度です。

 

軽度歯周炎

歯茎の腫れが進行し、歯周病菌が歯根膜や歯槽骨などを破壊し始めた状態です。歯周ポケットの深さは35mm程度です。

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中度歯周炎

歯槽骨が、歯根の半分程度の長さにまで破壊された状態です。歯がぐらぐらと動いたり、膿が出たりするようになります。歯周ポケットの深さは47mm程度です。

 

重度歯周病

歯槽骨の破壊が、歯根の半分以上に達した状態です。歯の動きが大きくなるほか、痛みのために食事がとれなくなることもあります。歯周ポケットの深さは6mm以上となります。

歯肉炎なのか、それとも歯周炎なのか? この2つを見分けるには、炎症の進行度合いが一つの基準となります。炎症が歯茎でとどまっていれば歯肉炎ですが、顎の骨まで及んでいれば歯周炎となります。とはいえ、見た目や症状だけで判断することは難しいため、歯科では一般的に「歯周ポケット検査」によってどの段階の歯周病なのかを把握します。

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歯周ポケット検査

歯周ポケット検査は、歯周ポケット(歯と歯茎の間にある溝)の深さを測る検査。歯周ポケットが深いほど、歯周病が進行しているということになります。以下は目安ですが、深さが3mm以内であれば歯肉炎で、3mm以上になってくると歯周炎の疑いが出てきます。

 

【歯周ポケットの深さ】
3mm以下:歯肉炎
3mm以下:軽度歯周炎(顎の骨が溶かされ始めるが、歯周ポケットの深さは歯肉炎と同様)
45mm:中度歯周炎
6mm以上:重度歯周炎

 

歯肉炎の症状と治し方

歯肉炎にかかっていると歯茎が炎症を起こし、歯茎が赤く腫れたり、歯を磨くと血が出たりすることがあります。この段階であれば、毎日、正しく丁寧にブラッシングすることで改善が見込めます。もし改善が見られない場合は、正しいブラッシングができていないか、すでに歯周炎まで進行している可能性が考えられます。

 

歯周病の治療の流れ

検査・ブラッシング指導

歯周病の進行具合を調べ、その人の状態に合った歯磨きの仕方をお教えします。

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スケーリング

歯ブラシなどで除去できない歯石をスケーラーという特殊な器械で除去します。

 

検査

2回目の検査を行います。

ルートプレーニング

スケーリングでは取りきれない深い歯周ポケット内にある歯石や、感染したセメント質を専門の器具を使い、除去することで歯をツルツルにします。

 

検査

最終チェックを行います。

経過がよければ、これで歯のメンテナンスをおこない、歯周病の再発を防ぎます。
毎日の正しいブラッシング、定期的な歯科医院での検診が必要です。

小さいころ、むし歯の治療が苦手だった私自身、とても共感できる考え方で、当院でも積極的に、この「予防」を取り入れていきたいと考えています。

 

歯は一度削ってしまうと、元に戻ることはありません。また削ったり神経を抜いたりした歯の寿命は、短くなってしまいます。失った歯を取り戻す方法として、 入れ歯やインプラントなどもありますが、自分自身の歯にまさるものではありません。だからこそ、痛くなったら治療するのではなく、そもそも「むし歯にならないように」「歯周病にならないように」することが、一番大切だと思っています。

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治療から予防へ

虫歯は歯科の2大疾患の1つです。(もう1つは歯槽膿漏です)この病気は心がけ1つでかなり防ぐことができます。「病気になったら治療する」より「病気になるのを防ぐ」方が重要な事と思います。ここでは代表的な予防法について考えてみましょう。

1.食事を規則正しく摂る。
間食をなくすことによって虫歯の発生頻度が減る事が知られており、次の砂糖の摂取に関連しています。

2.砂糖を減らす。
虫歯菌の最大のエサである砂糖を減らすことで、虫歯が減少することはよくお耳になさると思います。
ここで重要なのは、減らさなければならないのは「量より回数」だと言うことです。
例えば110g砂糖を取る人と20g取る人では単純に後者の方が虫歯になりやすい、と思いがちですが、10gしか取らなくても1g10回取るほうが20g1回取るのに比べ虫歯になる確率が高いのです。
これが上記の間食を減らす事につながります。
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3.よく歯を磨く。
虫歯の三要素は砂糖、歯の質とバイ菌で、虫歯の三要素の1つのバイ菌を減らします。
ただし、口の中には歯と歯の間のように、きわめて小さな隙間がたくさんあり、なかなかブラシのとどきにくいところがいっぱいあるので困ってしまいます。そこで正しい歯みがき法を身につけて(教えてもらって)歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、悪性の菌(プラーク)を徹底的に除去するのです。これは、食直後に歯磨きをすれば酸性度の回復にも役立つわけです。食後3分以内に徹底的に歯を磨きましょう、というのが合理的な歯磨き理論です。
4.歯の質を強くする。
上記の三要素の一つで、質が強いと虫歯になりにくいです。歯の質が強いかどうかは遺伝的要素と後天的要素があります。遺伝的要素はやむをえないとして、後天的要素の代表が赤ちゃんの時の大病です。顎の骨の中で歯が作られている時期(胎児~幼児)の間に大病をしたり、大量の薬を飲むと、歯の表面がうまく作られなくなる(エナメル形成不全)ことがわかっています。この時期に大病や薬の大量投与を避けることが必要!という理論です。

近年、予防歯科の重要性が注目されています。健康なお口を保つには、虫歯や歯周病などの病気かからないことがもっとも効果的だからです。虫歯や歯周病は治療によって機能の回復が行えますが、完全に元通りに戻すことはできません。歯を削ればダメージが蓄積しますし、詰めものや被せものには寿命があります。さらに治療を繰り返せば歯には負担がかかり、最終的には抜歯を余儀なくされるケースもあるのです。そのため、「病気になってから治す」のではなく「病気になる前に予防する」ことが非常に重要になってきます。これは予防歯科の基本的な考え方のひとつ。健康な口腔内環境を維持するために、普段のケアだけでなく歯科医院の予防歯科もぜひご活用ください。

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治療後のケアが大切

せっかく治療を受けてお口の中が健康になったとしても、その後のケアを怠れば再び症状があらわれるでしょう。そのため、治療後には適切なケアが必要不可欠です。しかし、どんなにきれいに磨いているつもりでも磨き残しは発生してしまいます。そこで、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といったプロの歯科医師(もしくは歯科衛生士)が行うクリーニングが注目されています。

 

かかりつけ歯科医を持つメリット

歯の調子が悪くなった時にその都度行きやすい歯科医院を訪れるのではなく、かかりつけの歯科医院を持ち、定期的に通ってチェックを行っていくことでむし歯などのトラブルの早期発見が可能になります。
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初期のむし歯は自覚症状がないことも多く気づくのに時間がかかるため、発見までのタイムラグを埋めることも定期検診の持つ大切な役割の一つです。
また、日頃の生活習慣やお仕事、好きな食事などの生活背景、家族構成などもお口の健康に大きな影響を与えるものです。

セルフケアの正しい方法もご存知で普段はしっかりとケアできている方が、仕事が一時的に忙しくなったために歯磨きの時間を取れずにトラブルが多発しているような時に、以前からの経過を把握している歯科医院であれば、ただ悪い部分を治すだけでなく、生活上のアドバイスも含めた的確な対処ができるはずです。かかりつけの歯科医院であれば、クリーニングなどの処置とあわせて長期的にお口の中のリスクを把握し、患者さま一人ひとりに合ったリスクコントロールのアドバイスを行うことが可能になります。

歯周病になってしまった場合は、進行を抑制させる治療が必要となります。歯周病は自覚症状が少な いため、気付かないうちに症状が進行してしまう可能性があるので、ここ最近歯周病の検査を受けていない方は一度検査を行うことをおすすめします。

初診

来院の理由、また、お口の気になることをお話します。

検査

歯周ポケットの検査やレントゲン撮影などで、歯周病の状態を調べます。

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診断

検査結果をもとに、今のお口の状態を説明、これからの治療プランを立案します。

 

初期治療

歯石除去(スケーリング・ルートプレーニング)や、ブラッシングの指導、また必要に応じて虫歯の治療や咬み合わせの調整などを行います。

 

再評価

歯周ポケットが改善されているかどうかを検査します。そして、改善されていない部分にたいしての次の治療プランを考案していきます。

 

歯周外科治療

改善されていない部位や深い歯周ポケットを外科的に取り除きます。

 

再評価

外科処置後、歯周ポケットが改善されているかを再検査します。改善されていれば、メンテナンスへ進み、病状安定となればSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)へと移行します。

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定期検診(メインテナンス)

歯周病は再発の恐れのある病気です。せっかく治っても、治療前と同じような生活・ケア方法では、また歯周病になる可能性もあります。
ですので、治療後もセルフケアをしっかり行いましょう。

[メインテナンスの目的]
・歯周病の再発予防
・新たな歯周病発症部位の早期発見
・良好な歯周組織環境の長期維持

治療の終わりがゴールではありません。セルフケアをしっかりと行い、お口の中の健康を継続して守っていくことが大切です。

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